占星術とアロマをやっている緋彌華(himika)の雑記帳です。
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映画"es"[エス]を観て
2005年 08月 17日 *
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"es"[エス]被験者求む

この映画は、1972年にスタンフォード大学心理学部で
実際に試みた実験が映画化されたものです。
耳を疑うような信じられない結末に、
この映画を観たのはもう数年前にもかかわらず、
今でも時々この映像が頭をよぎることがあります。
とても重い話になるので、
そういうのが苦手な人は、この記事を読むのはスルーしてください。

私は、心理学にも興味を持っているので、その手の本を時々読んでみたり
興味の持てそうな先生の講演があれば、足を運んだりすることがあります。
この映画も、そういうきっかけで知ることとなりました。

この映画での実験は、被験者を新聞広告で24名募って
その人たちを「看守役」と「囚人役」に分けて、
そういう状況が、それぞれの人にどのような心理的影響を与えるかを
実験したものでした。

しかし、結果は、権力を持った看守役の人たちが
実際には何の罪を犯していないにもかかわらず、囚人役という
役柄だけで卑屈になっていった彼らを暴行し、集団殺人にまで
いたらせてしまったという、おそらく初めに誰も予想していなかったような
惨事が繰り広げられてしまったのでした。

当然、この実験は、この一回限りで打ちきりとしたために
この看守役の人たちが、潜在的に犯罪者の素養を持っていたとも
考えることができるでしょう。
しかし、看守役になった誰もが、その状況を止めなかったということを
考えると、集団心理の恐ろしさをまざまざと感じてしまいます。

また、この実験がもたらした結果は
私たちに、「人格」というものは「状況」や「環境」によって
いくらでも左右されるというものだということを警告してくれました。

確かに、身近なところでも、平社員のときは、とても謙虚だった人が
昇進を続けて権力を持っていくに従って
端から見た人格がまったく変貌していったという例を
何人か見てきたことも否定できません。

また、平和な今の時代では、人殺しが最悪の罪だということを
どんなに強く自覚していても、戦争という社会状況下におかれてしまうと
その価値観がまったく変貌していくことも
残念ながら否定することができないのは歴史が物語っています。

しかし、すべての人が、権力を持ったらおかしくなるわけではないし、
戦争という価値観が激変していく時代においても
戦争反対を唱えることができてきた人たちもいるのも事実です。

どんな状況の中でも、自分を見失わない方法は
やはり謙虚さなのかなと、私自身はそう感じます。

どんなに大きな権力を持ったとしても、
それは人を支配するために与えられた力ではないということ
また、自分のエゴを通すために、その力を使うのではないということを
常に忘れなければ、自分自身が権力に支配されてしまうなんていうことは
防ぐことができるのではないか、と思うわけです。

それと同時に、いつでも相手の痛みを感じることができる優しさ。

これは言うのは簡単だけど、状況や環境にこんなに簡単に流されてしまう
現実をみると、本当の強さとは、本当の優しさを持った人なのではないかと
この映画を思い出すたびに、つくづくと感じてしまうのでした。

この映画は、現実に起こったことだけに、ほんとに重く、
後味も相当に悪いものです。
しかし、人間の持つ残虐さや弱さというのは油断すれば、
誰にでも潜んでいる可能性を持っているものだと感じるので
これからの私たちがどうしたらこのような大きな過ちを犯さずにすむかを
考えるための大切な警告を与えてくれた映画だとも感じます。


追記
この実験で犠牲となってしまった方々のご冥福を心からお祈りします。
また、加害者の立場に立たれてしまった方々も
一日でも早く自分の犯した罪を認め
本当の意味での心の平安が訪れる日が来ることをお祈りします。
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